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「産後の不調/症例」

  • kampo-kojyudo
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:14 分前


「産後、子供が幼稚園へ行くようになってからずっとカゼを引いている。激しいノドの痛みから始まって、発熱、咳、鼻づまり、そして最後に緑の痰が残って治らないうちにまた咽痛。一般的なカゼ薬を飲むと胃腸の調子が悪くなるので、なるべく飲みたくない…」30代女性のご相談です。


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この方は1才のお子さんがカゼを引くと必ず移って、激しいノドの痛みとなります。

病院へ行くと扁桃炎でがノド赤く腫れて化膿しているとのことで抗生剤を処方されますが、毎回種類を変えてもらっても下痢をしてしまう。

もともと食べ過ぎると腹痛や下痢をしやすく、他の薬でも胃が重くなったり痛んだりと胃腸に負担がかかりやすい。

咽痛後は首のリンパ腺が腫れたり高熱が出たりして、咳や痰へ移行する。

そして1週間位で症状は落ち着いてくるが、いつも痰が残ってしまう。

黄色から緑っぽいドロっとした痰が1日10回以上出てきて、それが治まらないうちにまた新たなカゼを引く。

このような状態が半年前から続いているので、心身ともに疲れてきたとのこと。


1才の子育てをしながらこの状態は大変です…


まず初回に感じたことは、産後で疲労感はあるけれども体はそこまで消耗していない、そして著しく鬱滞している病態もみられないという事。

話す語気、子供をあやす声はハッキリとしていて、動きも機敏。

体型は充実していて、大きな過不足を感じない。

胃腸はカゼ薬を飲んだり食べすぎると不調になるが、それ以外は空腹感もあり食べられる。

生理に関しては初潮から今まで異常はなく、貧血症状もみられない。


それならば胃腸を守りながら咽喉や気管支周辺の繰りかえす炎症、化膿を治めていくことに徹しようと考えました。

さらに胃腸の弱さのためか痰が多く抜けにくいので、半夏と生姜を強めるよう調合しました。


煎じ薬を飲んで2週間後、胃腸が安定してきて食事が美味しくなり、そして痰の量が半分くらいに減った。

1か月後には、子供がカゼをひいても発熱することはなく、軽い咽痛と緑色の痰が少し出る程度に。

半年後の今現在は、ノドの違和感を感じてカゼっぽくなっても発熱、咽痛、化膿することはなくなり、体調がいい日が増えてきた、という嬉しいお言葉をいただきました。


この方は産後に始まった不調ではありますが、恐らく産後に関わらず炎症がくり返し起こりやすい身体の状態だったのだと思います。

一度起こった炎症が治まりきらないと新たな外敵(ウイルス、細菌)に反応し、再熱しやすくなるからです。

痰が頻繁に出たりノドに溜まったり、胃腸の不調があるとカゼ症状は長引きやすくスッキリ治りにくい要因となります。


産後で疲れやすい、カゼを引きやすいというと、まずは補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯といった補うものが必要であると安易に考えてしまいますが、決してそうではないのだと改めて分かりました。

この経験を心に深く刻んで、学びを今後へ活かしていきたいです!


産後だから○○湯ということではなく、個人差をみて漢方薬を選んでいく、合わせていくことが大切だと思います。


参考コラム:「産後の不調

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