「漢方治療の向き不向き」
- kampo-kojyudo
- 17 時間前
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「夏の終わり頃から急に食欲がなくなった。こんなことは初めてで、胃腸科へ行っていろいろ検査をしたけれど特に異常はないと言われた。何故食べられないのだろう…」70代女性のご相談です。

最近いらした方ですが、このような内容のご相談は漢方薬を使った治療にとても向いているため、そのまま患者さまにもお伝えしてます。
向いているというのは、漢方薬で改善していく可能性が高いという事です。
病院で血液検査や胃カメラなどをしても胃の異常はないのに胃の不快な状態が続く、または尿検査で細菌の増加がみられないのに膀胱炎のような症状がある、または子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患がないのに生理痛が重く出血量が多いなど。
西洋医学的な検査や診断では器質的な異常はみられないのに不快な症状がある時には、ぜひ漢方薬をお試しいただきたいと思います。
どちらが良いとか悪いとかではなく、双方の視点が異なるため、西洋医学とは別のアプローチができるのが漢方の良さだと思います。
西洋医学的には病気ではないと診断されても、漢方では体の不調を病症と捉えて、病理さらに治療方針を考えることができるのです。
漢方治療に向いていないものとしては、自覚症状は殆どなく測定器や検査器具の数値が高いので、それをなるべく下げたいというようなケース。
朝の血圧が高い、血液検査の結果で肝機能と腎機能が弱い、心電図の検査で不整脈があると言われたなど。
ここでの共通するポイントは、いずれも自覚症状がないということ。
漢方は個人差や個体差をみるのが特徴なので、それが何もないとなると病態を考えることができなくなるのです。
何も見えないまま合いそうなを漢方薬を一通り使ってみても、上手くいくはずはありません。
最近はスマートウォッチなど便利なものがあって、体の状態(脈拍、体温、血圧、睡眠状態など)を数値化して教えてくれます。
ただこのデーターは、漢方の視点ではあまり意味がありません。
体温計の数値よりも、午後になると熱っぽくなってノドが乾いて冷たいものを一気飲みしたくなる、といった感覚的な不調を伝えてもらえた方が漢方の場合は病態をつかみやすく、よりスムーズに治療方針がみえてきます。
以上のことを参考に、漢方治療向きだと思ったら始めてみて下さい。
その価値はあると思います~✊




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