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「産後の不調」

  • kampo-kojyudo
  • 2024年12月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年12月11日

「5年前に出産してから、立ちくらみ、むくみ、冷え、お腹の張りなど体の不調がつづいている。それにあまり食べてないのに最近3㎏も太ってしまい…」40代女性のご相談です。


出産後はこのような身体的な不調に加えて、漠然とした不安感やソワソワして落ちつかない、気持ちが沈む、眠れない等メンタルの不調を訴える方が少なくありません。

出産とは、それだけ女性の体に大きな爪痕を残し、変化をもたらす出来事といえるでしょう。


産後の体の病態は一般的に、気血両虚、血虚、瘀血、腎虚などと言われますが、今一つよく分からないという方も多いと思うので簡単に説明してみます。


気血両虚は、例えばお産の時に大量出血して、それから疲れやすく気力がない、さらにフラーっとした眩暈や立ちくらみ等、疲労倦怠感と貧血様症状が際立つような状態。


血虚は上のような貧血様症状に加えて、授乳が終わっても生理がなかなか再開しない、あるいは生理周期が長く、期間が3日以内、量が少なくてナプキンを小まめに替える必要がなく終わってしまう。

また産後に抜け毛が多く、爪が割れやすく、皮膚がガサガサに乾燥する。


瘀血は生理痛、排卵痛、または下腹部の違和感を強く感じたり、生理出血の中にドロッとしたレバー状の塊がある。

また産後に顔に薄墨を塗られてようにシミができたり、唇や舌の色が暗紫色っぽくなることも。


腎虚は産後の腰痛、性欲が湧かない、不妊など下半身や骨の弱り、生殖機能の衰えとされてますが、私的には教科書の概論的要素が強いと考えているため、臨床上重視していません。


以上のように産後は気血を消耗する気血両虚や血に関する血虚、血瘀という病態になりやすいと言われています。

そのため、当帰、芍薬、川芎、地黄と四物湯という血を補う処方をベースに黄耆、人参を加えた産後の滋養強壮剤のようなものもあります。

確かに出産というのは、赤ちゃんと一緒に胎盤そして大量の出血があるため出産直後の体の消耗は非常に大きいですが、1~数か月後には回復している方もいるので個々の体をきちんと診ることが大切だと思います。


またいくつかの病理が混在しているケースもあります。

その時は複数の病理を一気に処理するのか、一つずつ処理していくのか戦略を立てることが必要となります。

ここをどう考えて進めていくかは正解というのはなく治療者のセンスになります。


最後になりますが、産後の体は人によって違います。

だからこそ、個人差に重きをおく漢方治療が合っていると思います。

不調がある時は無理をせず、誰かに相談したり、何かの力を借りてもいいのではないでしょうか。


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