「明け方の寝汗」
- kampo-kojyudo
- 8月8日
- 読了時間: 2分
「2年前頃から寝汗をかくようになって最近は特にひどい。毎日明け方になると全身びっしょりで目が覚めて、それから寝具を全部とり替えないと…」30代後半の方のご相談です。

寝汗のご相談は以前からありましたが、更年期の40~50代、または60代以上が圧倒的に多かったように記憶してます。
これは年齢とともに体に潤いを与えたり鎮静させたりする陰(陽に相対するもので、物質、静、冷…)が不足するためで、陰虚が長期に及ぶと陽を制約できずに虚熱という病態が起きてきます。
高齢の方ほど起こりやすい病態ですが、幼児~10代でも高熱後や体力の消耗が激しい時は、口乾、夜の手足の火照り、寝汗など虚熱が出ることがあります。
寝汗というワードだけで考えると、虚熱だけでなく血熱、実熱、または肌表の諸不足でも寝汗は起こりうるので、様々なケースを想定しておく必要があると思います。
上の女性の寝汗は2年前からで、その頃から低用量ピルを飲み始め、激しい生理痛とPMSは治まりました。
今も薬は続けていてその部分に関しては安定していますが、生理周期が21日、2週間続いて量が多いため貧血ぽく体がしんどい。
さらに寝つきが悪く、夜中何度も目が覚めたり、悪夢が多かったりと睡眠も十分にとれないとの事。
体の状態を総合して考えると、生理が2週間あって量が多いというのは相当な体の負担になっていて、体を滋養する力が弱まっていることが寝汗、睡眠障害、心の不安定さに繋がっていると考えました。
そこで体を滋養して虚熱を冷ます赤芍、牡丹皮を主に、心の安定も考慮したものを調合。
始めはなかなか変化がみられなかったため、1週間サイクルで状態を確認しながら薬を微調整していったところ、漢方薬を飲み始めて3回目の生理が28日周期できて1週間で終了。
その頃から寝汗が半分以下に減りました。
少し時間はかかりましたが、諦めず通い続けて下さったお陰です!
感謝の気持ちでいっぱいです!!
このように体のある部分の負担を取り除くことで、他の体調も良くなることは漢方ではよくあります。
そこが漢方の面白さだと思っています( ´∀` )
明け方の寝汗が続く方は、ぜひ漢方薬も選択肢の一つとして考えてみて下さい~
参考コラム:「生理前の寝汗」
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