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「春のめまい/漢方薬」

更新日:2023年5月15日

「3月に入って朝起き上がる時に体がグラーっと揺れて立てない、何かにつかまらないと歩けない。そしてムカムカして気持ち悪い…」50代女性のご相談です。

春になると眩暈がして辛いという方は、特に30歳以上の女性に多くみられます。春は寒暖差が大きく気

温が一気に上昇下降するため、その変化に体の陽気がついて行けず、上衝(陽気の不足)という病態が起こりやすいくなります。頭がグルグル回る、体がフワフワする、体がある方向に傾く等のめまい、そしてムカムカして気持ち悪い、動悸、頭痛なども同時にみられます。傾向として、自律神経が乱れやすく、冷えやすい、筋量の少ない女性に多い印象があります。

今回はめまいに汎用される漢方薬について、それぞれの特徴をご説明していきます。


☆苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)

一般的な立ちくらみ、によく使われる。朝急に起き上がったり、急に立ち上がったり、頭を下ろしたり、振り向いたりした時に起こりやすい。

病態として、胃に吸収できない水がたまっていて、その水が上衝という下から上へ突き上げる状態にのっかって頭部へ押し上げられるために起こる。頭重感、吐き気を伴うことも多い。

嘔吐がつよい時は生姜(生のものをスライス)を加える。浮腫みがあったり激しいめまいの時は、沢瀉湯(たくしゃとう)を合方する。


☆沢瀉湯(たくしゃとう)

とにかく激しいめまいで、頭に何かかぶさったような感じがする時に使われる。

沢瀉と朮の二味の生薬からなるシンプルな処方のため、病態に合致すると速やかに効果を実感できる。


☆半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

普段から胃腸が弱く疲れやすい、血色が悪い、食後体がだるく眠くなりやすいタイプのめまいに使われる。頭痛や吐き気を伴うこともある。

胃腸の働きを改善する六君子湯(りっくんしとう)を主に、風(揺れ)を治める天麻が内包されている。


☆五苓散(ごれいさん)

口渇、尿が少ないことを一つの目標として使われる。

片頭痛や吐き気を伴うこともある。

上に突き上げる症状やめまい、頭痛が激しい時は甘草を加えると効果が高まる。


☆半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

不安感の強いめまいに使われる。

小半夏加茯苓湯を主にしているため、普段からムカムカしやすい、胃の調子が悪いと感じる。

蘇葉、厚朴を含むため、几帳面で、気分が塞ぎやすいタイプの方のめまいに。


以上、

漢方は分かりにくいと感じる方が多いと思うので、少しでも参考になれば幸いです。


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