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「ストレスに柴胡剤、という思い込み」

  • kampo-kojyudo
  • 1 時間前
  • 読了時間: 3分

「一日中、動悸と息苦しさがあって胸が何ともいえず不快。仕事を任されたりストレスで悪くなる…」40代、女性のご相談です。



このようにストレスで症状が悪化するといわれると反射的に、よっし柴胡剤だと決めつけてしまう自分がいました。

大学を卒業して初めて漢方の世界に入った頃、いろんな漢方入門書や概論書をよんで覚えて勉強会にもたくさん参加していました。

その世界ではどこでも「ストレスで悪化するなら柴胡剤」というのが当たりまえの常識で「それ以外は間違え」という中に居座り続けてしまった…

何でもそうですが初めて何かを勉強する時は、一般的な知識をまず頭にたたき込んで、その分野の全体像を習得しようとしますが、そこから次のステップへ一歩を踏み出せるかどうかが勝負どころ。

概論書の知識だけで終わってしまうのではなく、それを実際の現場で使ってみて上手くいくか効果があったかどうかの検証が必要で、上手くいかなかった場合はそれは何故なのか…

そういった自問自答したり試行錯誤したりすることの大切さに気づいたのは、まちがえなく今参加しているレッスン(勉強会)のお陰です。



さて本題に入りますが、上記の方は今まで仕事が忙しくなると動悸が激しくなるため、メンタルクリニックへ通い休職してました。

復職したところ、動悸と息苦しさ、胸の不快感など体調不良が再発したため、今度はなるべく自然な薬で改善したいという思いで漢方相談へ。


話を伺いながら感じたのは、お子さんの子育てをしながら平日フルでお仕事をされていて心身ともに疲れ切っている、という印象。

動作や口調に力がなく、一連の症状は動くと悪化して休むと良くなる。

ストレスでも悪化するが、人前にでたり緊張するとドキドキするのは当然のことで、そこが病因の根源ではないと。


以上のことから、「虚労」という病態とらえて漢方薬を調合して数日分お渡ししたところ、美味しくて体が楽な感じがするとのこと。

この方向性でいけると思い、2週間ごとに様子をみながら微調整をしていったところ、1か月後には動悸と息苦しさは治まって体調は良好。

仕事で緊張して動悸がしていてもあまり気にならない、と清々しい表情で話してくれました。



結果から考えてみると、この動悸は「心中悸して煩す」、「虚労」によるもの。

これは漢方の聖典といわれる傷寒雑病論にある病症です。

柴胡剤が適応するのであれば、疲労感よりも胸脇腹の辺りの痛み、炎症が際立ってくると思います。


これからも思い込みから脱却するために、現実と教本とを行ったり来たりしていきます!



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