「甲状腺機能亢進症による動悸、手の震え」
- kampo-kojyudo
- 15 時間前
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「去年から時々ドキドキすることがあったが、1週間前に遠方へ出かけて帰ってきたら心臓の鼓動が服の上から見えるほどバクバクして、さらにエレベーターのボタンを押す時に指先が細かく震える…」60代女性のご相談です。

甲状腺機能亢進症の一種であるバセドウ病の疑いがあると診断されてから、定期的に通院して体調の維持はできていましたが、ある日外出先でかなり体力と神経を使うことがあり、帰宅後に疲れてゴロゴロしていたら激しい動悸と指先の震えが止まらなくなったという事です。
びっくりして直ぐに病院へ行こうと思いましたが、これ以上薬を増やしたくないという気持ちが強かったため、よくよく考えた末に病院へ行ってから漢方薬局で相談することに。
このように急激に症状が悪化した場合は、まずは通院中の病院を受診いただくのが第一と思います。
その後、どうしても体の不調が続くというのであれば漢方薬をという流れがベストだと思います。
西洋医学の網目からこぼれ落ちた苦痛を漢方薬で改善できることもあるので、可能な限り詳しく状態を伺うようにしています。
そして自分の漢方薬では難しいなと判断した時は、そのようにお伝えします。
この方のお話を初めて伺った時に、体に合わせたお薬を調合して服用後の状態を診ていく、という漢方相談をお引き受けさせてもらった理由には2つありました。
まず1つ目は、過度な疲労そして緊張が引き金となって症状が悪化したという、悪化要因がハッキリしていたこと。
そして2つ目は、疲れていても過剰な興奮状態が止まらず空回りしていてブレーキが効かない状態だった為、なるべく早く落ちつかせた方がいいと思ったからです。
一昨年から体重が10㎏へり、食欲はあるが1日5回くらい便が出て、ノドが乾いて声がかすれる。
思い立つとすぐに行動したくなって、どこまでも突き進んでしまう。
行き過ぎた興奮を鎮めて、心と体を養い落ち着かせる処方に、緊張による筋の収縮を和らげる芍薬を加えていく…
このような方意の漢方薬を服用してもらったところ、1か月で動悸は治まり手の震えも少しずつ気にならなくなりました。
ただ夜更かしして寝不足になると翌日は動悸がするとの事なので、睡眠と休養を充分とるよう意識してもらったところ、半年で病院の処方薬を半分に減らすことができました。
甲状腺機能亢進症という病名だけでは漢方薬を調合することはできません。
今体に何が起きているのか、それをきちんと突き止めることが漢方薬を調合する者の最も大きな役割だと思っています_(._.)_
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