top of page
  • kampo-kojyudo

「下痢、軟便がつづく」

「3か月前に体調不良で入院してから下痢が続いていて、食事をすると便意を感じてトイレへ。そこでゆるい便~水様便がでてお腹は落ち着くのですが、その後は何となく体が疲れて力が入らない感じがします。それが嫌なので、今は消化のいいお粥かうどんを少量食べるだけにしましたが、下痢は変わらず、さらに体重も落ちてきてしまって…」

下痢がつづくと腸から栄養・水を吸収できないため、疲労感、無気力など全身の機能低下が起こりやすくなります。そのため長期間に渡って下痢軟便が続いている場合には、なるべく早く対処することをお勧めします。なぜなら、胃腸は体の要(かなめ)、支点となる場所だから。ここが正常に機能していないと、全身に力が入らず腑抜け状態になります。

飲食物は胃で消化→腸で吸収されますが、下痢・軟便の方は、腸で吸収されない水が溢れているため便が緩くなります。

では、なぜ腸で栄養・水の吸収が悪くなるのでしょう?

その原因として考えられることは、

①胃腸の弱さ

胃と腸は繋がっているため、胃の弱りが腸へ影響したり、またその逆も然りです。胃と腸の両方がきちんと機能することで便の状態は整ってきます。

一般的に食欲不振、胃の不快感をともなう下痢には、六君子湯、香砂六君子湯、参苓白朮散などが使われます。

②食べ過ぎ、梅雨時

暴飲暴食してから下痢・軟便がつづいている場合は、胃腸の働きが悪いのではなく、処理できるキャパ以上の飲食物が入ってきたために一時的に胃腸で吸収できない水(湿邪)が停滞した状態と考えられます。また梅雨に入ると下痢しやすい場合にも同様のことが考えられます。基本方剤は、カッ香正気散、平胃散、胃苓湯などです。

③①の胃腸の弱さに冷えが加わる

腹部や手足に限局している冷えならば、胃腸を温める人参湯。さらに全身が冷えて体の機能低下も起きている場合は、附子人参湯、真武湯、または真武湯合人参湯の適応となります。


以上、大まかな説明ですが、少しでも参考にして頂けたら。

下痢・軟便にもその原因や背景(素体の状態)により、さまざまなアレンジが必要となるケースがあると思われます。先ずこれかな?と思う方法でやってみられ、それでも上手く行かない場合は、漢方専門の医療機関へ相談されて下さい。

「胃腸は体の要(かなめ)」

体の中心が整ってくると、体の踏ん張りが変わってきます!🐾


閲覧数:47回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page