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「貧血/よく使う漢方薬について」

「生理の出血量が1~2日目にかなり多く、その時に血の気が引くような立ちくらみ、動悸、息切れで体がしんどく起きていられない。貧血だと思って血液検査をしたのですが特に異常はなく…」37才女性のご相談です。

このような貧血様症状があっても血液検査では異常はないケースもあります。そのため漢方で貧血様症状を改善しようと考える時は、血液検査の数値よりも、いつ、どんな時に症状が出やすいのか(例えば生理前中、雨天、疲労時)、さらに胃腸、浮腫み、冷えなどを確認して体がどういう状態なのかを考えていきます。

上記の相談の方のように、生理痛が強く出血量も多くて貧血様症状がある時は、血流を調整することで症状が治まりました。同じような症状でもその病因はさまざま。そのポイントをきちんと掴むことで改善へと導くことができると確信しています。

今回は立ちくらみ、めまい、動悸、息切れ、倦怠感などの貧血様症状に汎用される漢方薬について、なるべく分かりやすく解説していきたいと思います。


☆苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、連珠飲(れんじゅいん)

めまい、立ちくらみ、動悸のある起立性調節障害の第一選択薬として汎用される。体の傾向として手足が冷えやすい、浮腫みやすい、尿が出にくい、朝起きにくく午前中は調子が上がらず午後または夕方から元気になるようなタイプの方。

茯苓、朮で水の調整をし、桂皮、甘草で陽気不足による上衝を治める。

さらに月経が遅れやすく出血量が少ない、髪や爪がもろく艶がない、食欲あり食べても太らない等の体質(血虚)の方は苓桂朮甘湯に四物湯を加えた連珠飲を使う。四物湯には当帰、地黄という血を濃くする生薬が含まれていて胃腸に負担になることもあるため、服用後に食欲減退、軟便などがある時は、食後に服用するか苓桂朮甘湯、四君子湯にした方が良い。


☆四君子湯(しくんしとう)、六君子湯(りっくんしとう)

食欲がない、食べられない、食べると疲れて眠くなる、下痢軟便になりやすい等胃腸の弱さが主にある時は四君子湯を使う。胃腸は漢方では中焦といい体の真ん中に位置する。ここがしっかりすると飲食したものから栄養を吸収できるため、体全体が充実し貧血様症状は改善されていく。

さらにムカムカ、吐き気、ゲップなどの症状があれば、四君子湯に二陳湯を加えた六君子湯にする。


☆四物湯(しもつとう)、芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

月経後期で出血量が少ない、肌や髪や爪が乾燥しやすく艶がない、食べても太らない、顔色が青白く血の気がない傾向がある場合は漢方でいう血の不足(血虚)があると考えられる。四物湯は単方で用いることは少ないと言われているが、胃腸に問題がなく血虚が明らかならば単方でも効果はいい。ただし血を補うものは濃厚なものを食べた後のような胃の重たさを感じることがあるため、その量と飲むタイミングに気をつける。

四物湯に阿膠、艾葉、甘草を加えたものが芎帰膠艾湯で、主に出血が止まらない(月経や排卵時出血)時に使います。この出血は血虚がベースにあるため、暗く少量の出血がダラダラと続くような時に汎用される。出血とともに血の気が引くような貧血様症状のある時によい。


☆当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血を補う当帰、芍薬、川キュウ、そして水の代謝を調整する茯苓、朮、沢瀉から構成されているため、月経後期や月経過少など血の不足とともに、浮腫み、眩暈、動悸など水の氾濫がみられる時に使われる。四物湯加減を内包するため、この処方も胃腸が弱い方には注意を要する。


☆桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

月経痛が激しい、月経量が非常に多い~少ないがあり一定しない、経血にドロッとした塊がある、色が暗っぽい等の症状とともに貧血様症状がある時に使う。

子宮筋腫、子宮内膜症、更年期障害でこのような症状がある時に使われるが、個々の血流の状態をみて量を調整するとこが大切。眩暈や動悸が強い時は甘草を加えることで効果が高まる。


以上、不十分な個所もあるかと思いますので、何か分からないことがあればお尋ねくださいませ♪


参考コラム:「貧血/漢方でのアプローチ」

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