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「葛根湯で胃痛が…」

更新日:2023年2月8日

「何だかカゼひきそうだな、と思ったときは葛根湯を飲むとすぐに良くなっていたのですが、最近は飲んだ後に胃が痛くなってしまって…」いつも相談にみえる50代の女性。

葛根湯をのんだ後に胃痛、食欲不振など何となく胃の調子が悪くなるという方は結構いらっしゃいます。葛根湯は寒気が主体のカゼ薬として有名ですが、その使い方には気をつけて頂きたい点がいくつかあります。葛根湯は、葛根、麻黄、桂枝、芍薬、生姜、大棗、甘草の7つの生薬から構成されています。葛根は肩、首筋の強ばりをほぐし、麻黄は体を温め発汗を促すことで邪を外へ追出す。さらに桂枝湯を内包していることから胃腸にも配慮された方剤といえます。それなのに、なぜ胃の不調が起こるのでしょうか。

それは麻黄が入っているためです。麻黄は体に侵入してきた寒邪を外に追い払う力が強いため、激しい悪寒、頭痛、喘、咳がある時には必要不可欠な生薬なのですが、胃腸の弱い方が飲むと胃痛や食欲不振、倦怠感などが起こることがあります。このような経験のある方は、葛根湯を食後に服用するか、または胃に負担のない他の方剤にすることをお勧めします。例えば桂枝湯や香蘇散。これらは胃弱な方はもちろん、妊娠中の方でも安心して使えます。麻黄の入っている代表的なカゼ薬には、麻黄湯、葛根湯、小青竜湯、麻黄附子細辛湯などで、方剤名に麻黄となくても入っていることがありますので購入前に生薬を確認いただくと安心です。また、これらの方剤は寒邪によるカゼ症状、喘、咳、鼻炎に対する方剤のため基本的に体を温めます。そのため服用の際は必ず温かいものでお飲み下さい。(冷水では効果が半減して勿体ないです)

カゼは適切な漢方薬を適切に服用して、温かいものを食べ、温かくして眠ることで、スッと抜けて楽になります。漢方薬を上手く味方につけて、体をいい状態に保っていきましょう~📣



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