「一か月前に電車の中で急に胸がドキドキして息苦しくなり、その場に座り込んでしまった。それからは電車に乗ると考えただけで予期不安に襲われる。なぜこんな風になったのか分からないが、どうにかしたい…」30代女性のご相談です。
パニック障害は不安感や恐怖感とともに、過呼吸、めまい、動悸、冷や汗、吐き気などが短時間の中で発作的に起こります。病院では一般的にベンゾジアゼピン系の抗不安薬、またはSSRIの抗うつ剤が処方されます。
漢方薬では柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯、帰脾湯などが使われますが、これらを服用しても治まらないケースが多々あります。これは決して、漢方薬がパニック障害に効果がないと云うことではありません。その方の病態にその漢方薬が合わなかったという事です。病態と漢方薬はカギ穴とカギの関係。きちんと病態に合えば、効果の扉は必ず開きます。
突然不安感が込み上げる、動悸が駆け上がる、ムカムカするなど上へ突き上げる病態を漢方医学では上衝といい、桂枝甘草湯の方意が必要となります。
これらを踏まえて、パニック障害で漢方薬を選ぶポイントは病態をきちんと見極めること。突然の不安感、動悸、息苦しさなど表面的な症状が同じでも、体の中の状態は人によって異なります。
ご自分に合った漢方薬を服用して、発作をくり返さないようにしていきましょうね!☆彡
参考コラム:「パニック障害/症例」
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