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「ホットフラッシュ/よく使う漢方薬について」

  • kampo-kojyudo
  • 2024年5月23日
  • 読了時間: 4分

更新日:1 日前

「45才位から暑がりになったと思っていたら、最近は日中10回以上、急にカーと顔がほてってその後ブルブル震えるほど寒くなる。夜中も3~4回布団をはいだり掛けたりで落ちついて眠れない…」50代女性のご相談です。



この方は生理が不定期になった頃から、急激なほてりと悪寒をくり返して体温コントロールが上手くできなくなりました。

そのため大量に汗をかいたり、眠れなくなり、以前からあった眩暈、息苦しさも強く感じるとの事でした。


これは明らかに子宮、卵巣機能の低下による内分泌(ホルモン)の乱れが原因と考えられます。


40代くらいから暑がりで顔がほてりやすいタイプの方は、動く、止まる、緊張、リラックス、焦りなどがスイッチとなって熱(陽気)の上昇が一気に起こり、ホットフラッシュとなります。

その勢いが強い程、発汗も多くなり、その結果急激に体が冷えるので震えるほどの寒気を感じることも。

このような場合は洋服の調整だけではどうにもなりません。


そこで今回は、一般的にホットフラッシュに使われる漢方薬についてご紹介します。

特に鑑別ポイントを意識してみたので参考にしてみて下さい。


☆加味逍遥散(かみしょうようさん)

気をスムーズに巡らせる四逆散、胃腸の働きを整える四君子湯をベースに、血流を安定させる当帰、興奮を治める牡丹皮、山梔子で構成される。

ストレスがかかったり生理前になると、頭が覚醒して眠れない、胃腸の調子が不安定、ちょっとしたことでイラっとして家族に当たってしまうなど感情の起伏が大きくコントロールできない傾向がある。

さらに閉経期の前から、月経前症候群(PMS)でいろいろな不定愁訴が多く、生理周期、量、生理痛は月によって変わり一定しないことが多い


☆小柴胡湯(しょうさいことう)

加味逍遥散と同様に、胃腸を保護しながら気を巡らせる処方内容となっている。

前者との違いは、ストレスや緊張による感情的、身体的な揺れは少なく、普段から頭痛、歯痛、歯茎の腫れ、胃痛などの痛みや炎症をくり返す傾向があること。

特に生理前はカゼっぽい、膀胱炎になりやすい、ニキビが化膿しやすい等感染症のような症状が出やすい。

ホットフラッシュに応用する時には黄連解毒湯を合法するとより効果的なこともある。


☆柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

一般的に「体力の低下した人で疲労倦怠感、動悸、息切れ、不眠など精神神経症状を伴う場合に用いる」という目標となっているが、体力の有無にかかわらず、体の枯燥状態が強く、口や皮膚、粘膜が乾いてカラカラになったり、体の深部から噴き出すような燻るような熱い感じがするのが特徴。

精神的な不安定さが強い時には、黄連または黄連解毒湯を少量加える。


☆桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

瘀血(おけつ)という血行が滞りやすい病態に使用される。

胃腸や体格はしっかりしていて、閉経期の前から生理痛が強く、出血の色は黒~暗褐色でドロッとした塊があるのが特徴。

さらに下腹部にシコリのようなものを感じたり、皮膚ににシミやクマ、アザができやすい、慢性的な頭痛、肩こり、膝痛もある。婦人科系疾患では子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などを患っているケースがある。

発作的な動悸や生理痛が強い場合は甘草を加える(桂枝甘草湯、芍薬甘草湯とする)。


☆桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

瘀血の病態に使われるため桂枝茯苓丸と似ているが、前者との違いは突発的にイライラして爆発する、顔がまっ赤になってのぼせるなど興奮状態が強い。

生理の出血量や塊が多く、生理痛もより激しい。そして便秘しやすく、便通がいいと体調や気分も落ちつく傾向がある。

膀胱炎に罹患しやすい。


以上となりますが、ホットフラッシュは漢方薬で効果を実感しやすいと思います。

上手にご活用下さいませ~☆彡


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