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「足のつり、こむら返り/芍薬甘草湯」

更新日:2022年8月20日

「いつもゴルフのラウンド中に足がつるので友人に芍薬甘草湯をすすめられた。飲んでみたら起こらなくなったので本当に助かります。こんなに即効性があるとは…」60代男性より。

漢方薬で葛根湯に次いで有名な処方が、この芍薬甘草湯ではないでしょうか。芍薬甘草湯は芍薬、甘草の2つの生薬から構成されているため、比較的速やかに効果を実感できます。漢方薬は内包する生薬の種類が少なければ少ない程、それぞれの生薬の効能が強調されるため、より単的にシャープな働きになります。そのため病態に合えば、驚くほどの即効性が感じられることがあります。ただし「病態に合えば」ということが大切です。

芍薬甘草湯の原典は傷寒論という本の発汗後病にあります。そこには、汗や尿がたくさん出た後に突然起こる足の痙攣に使う、と記されてます。すなわち体から水分や栄養(陰分)が失われて、筋肉が保持している潤いが無くなった状態と考えられます。たとえば運動で大量の汗をかいた、激しい運動をした、利尿剤を長期に服用した、生理前中など体から水や血が失われた時です。このような時に足がつるならば芍薬甘草湯の出番です。

服用方法は1日3回毎食前ではなく、夜中や明け方に足がつりやすい時は就寝前、運動時につりやすい時は運動前に飲むと効果的です。

また芍薬甘草湯に入っている甘草は、過度に取りすぎると高血圧や浮腫みなど(偽アルドステロン症)のリスクの報告があります。甘草は7.5g/1日上限で1日3回服用しても満たない量ですが、漢方薬を数種類使われている場合は頓服の方が安心です。

最後になりますが芍薬甘草湯は足のつりの他、生理痛、下腹部痛、頭痛(緊張性)などの痛みにも使えます。ギューっと絞めつけられるような引きつるような痛みが特徴になります。


それでは上手に芍薬甘草湯をお使いください~



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