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  • kampo-kojyudo

漢方薬と食品のちがい

更新日:2022年3月8日

先日、初めて漢方薬を飲まれる患者さまから、漢方薬は食品と同じと思っていいのでしょうか?というご質問を受けました。漢方は体に優しい、副作用がない、医食同源などからイメージされたのだと思います。

確かに漢方薬で使われる生薬の中には、シナモン(桂皮)、ジンジャー(生姜)、フェンネル(茴姜)などは、日常食品として馴染みのあるものですが、生薬は漢方薬の素材の一部です。いろいろな生薬を合わせることで効果が期待できるもの。上手く使えば効果があり、合わなければ副作用がでることもあります。

例えば、シナモンティーやシナモンロールに使われるシナモンは漢方では桂皮(けいひ)といい、発汗、発散、健胃作用があります。香り、味はとても似ていますが、シナモンと桂皮は完全に同じものではありません。

その違いは何かというと、植物の種類が違うのです。

シナモンはセイロンニッケイの樹皮(クスノキ科、スリランカやインド産)、桂皮はトンキニッケイ等の樹皮(ベトナム、中国産)。

参考:八つ橋で使われるニッキはシナニッケイの根で国産のものが多い

実際にこれら3種の香り、味を比べてみましたが、確かに違いました。

主観的なものになりますが、香りを言葉で表現してみると、

シナモンは華やか、ニッキは厳か、桂皮は独特な強い香り。

味もシナモン(洋)≒ ニッキ(和)<桂皮(口に入れると辛みが強く、舌がヒリヒリするくらい刺激的)

大きなものさしで見れば、ニッキ→→→桂皮となります。でも桂皮を食品として使うには味、香りのパンチが強すぎて他の食品との調和がとれないでしょう。

逆に、シナモンを桂皮の代わりに他の生薬とブレンドして漢方薬とした場合、今度はマイルドすぎてシナモンの存在が感じられないでしょう。

このように、シナモンと桂皮を例にお話してきましたが、基本的に食品は、まず食べて美味しいもの、そして香りが食欲を増すものだと思います。

一方、漢方薬は体の邪(体にとって不必要なもの)を取り除いたり停滞しているものをスムーズに流す働きがあるもの。すなわち効果を期待して使うもの、と捉えていただければ分かりやすいと思います。


寒い季節は、シナモンティーで心とからだを温めてくださいね🫖

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