「閉経後の舌の痛み」
- kampo-kojyudo
- 13 分前
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「2年前の閉経あたりから、舌が火傷したようにジリジリと痛む。初めは夕方に時々感じる程度だったのが、最近は毎日一日中痛くて…」50代の方のご相談です。

このように閉経期に、体のどこかに痛みを感じるようになったという方は多くみられます。
その場所は、手指や膝などの関節、腰、そして顔面、舌、外陰部(デリケートゾーン)など。
痛みの部位や時間帯、そして痛みの悪化や緩解の要因、さらに冷え、浮腫みなど患部と全身の状態をきちんと診ることで病理を正しく把握することができます。
ここでは、まず“閉経”というのが一つのキーワードとなります。
閉経は子宮機能が徐々に衰えて萎縮するため、子宮周りの下腹部の血流はもちろん、全身の血流も大きく変わる頃。
このような血流の混乱した不安定な状態が、痛みの根源にあると考えています。
血流の状態をみる一つの方法は、生理です。
初潮から閉経までの生理周期、出血量、出血色、粘度、塊の有無、腹痛や腰痛の有無、その他に生理前後の不調、子宮筋腫など婦人科系疾患の有無など。
閉経後の場合はこれらの他、皮膚や唇の色艶、下肢の静脈や細絡を確認して、過去から現在までの血流の変化を詳細にかつ正確に把握できるかが大事なポイントとなります。
これ以外にも全身症状として火照り、熱感、乾燥感、不眠、不安などがある時は、心と身体を潤したりクールダウンさせる(陰を養う)ことで血流を促すことが必要になる場合もあります。
上記の方は閉経までの生理は問題はありませんでしたが、閉経後から胃もたれや下痢をしやすく、疲労感も強く感じるようになりました。
そして朝から一日中、舌の表面がジリジリして熱感があり、仕事が終わる夕方頃にさらに強くなり舌を口から出したくなるとの事でした。
胃腸を労わり陰を養いながら血流を安定させるものに、血道を促す地黄を加えた漢方薬を服用してもらったところ、2週間後から少しずつ痛みが気にならない時間がでてきて、1か月後は痛みの強さが弱まり、2か月後には熱感がなくなって時々弱い痛みを感じる程度に。
このように閉経期は今まで感じることのなかった痛みが出てくることがあります。
そんな時は慌てず、焦らず、諦めず漢方薬をお試しください~✊
参考コラム:「更年期の関節痛」
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