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「更年期の体の傾向と漢方の視点」

執筆者の写真: 店主 遠藤友紀
店主 遠藤友紀
3 時間前
読了時間: 4分

静かで幻想的な雰囲気。

更年期は45~55才ごろまでといわれてますが、実際に相談にみえる方は40~60代。

この年齢でなくても、ホルモン分泌が不安定になると生理が乱れたり同様な不調が起こりますが、更年期障害が起こる根本的な原因は”閉経”という生理的な現象のためです。

50才前後に生理がなくなるのは、ごく自然なことで病的なことではありません。

ただ、この変化に体が対応できず生活に支障がでてしまうことも。

一般的な治療はホルモン療法ですが「それが合わない、一部症状が残っている、自然な薬で改善したい」という方々が漢方相談にいらしてます。


香寿堂ではこのような患者さまの割合が多いので、まず更年期の体の傾向とそれを漢方の視点でどのように捉えているのかをお伝えしたいと思います。

なるべく漢方用語を使わずに分かりやすく、また一般的な更年期漢方の考えとは違ってこれまでの経験を通してのものになりますのでご了承下さい。


◎体温調整がうまくできない

急に熱くなったり寒くなったり、汗が吹きだしたりと体温調整が難しくなることがあります。

これは血管運動神経障害といって脳や血管の働きが乱れるためと言われています。

ホットフラッシュは火山でいう噴火をくり返すような状態。

これを漢方では体の興奮と捉えて、周期的にやってくる興奮の波を落ちつかせて血流が安定するように考えます。

また衣類を調整しても体温調整ができない時は、動悸、息切れ、不眠が起こりやすく、体調も不安定に。

基本的に桂枝剤や柴胡剤で体の平衡を整えながら芍薬、山梔子、黄連などで興奮や高ぶりを静めていきます。


◎血流がよくない

長く同じ姿勢でいると手足の関節や筋肉が動かしにくい、肩や首筋が今までになく凝ることがあります。

また寝ている間に体が固まって、朝起きた時に凝りや痛みを強く感じるという方が多いです。

これは血流が滞りやすくなっているためで、血流障害と考えられます。

ほかには膝痛、腰痛、足にクモ状の毛細血管が浮きでる、顔のくすみやクマが目立つことも。


漢方では血流を改善することに重きを置きますが、その方法はいろいろあります。

たとえば当帰、川芎、地黄などの潤滑油を与えていく。

桂枝、当帰、乾姜、細辛などで温めていく。

茯苓、朮、沢瀉などで水の代謝を促すなど。

血流をダイレクトに動かそうとするよりも、滞っているものを循環させることに主眼を置いた方が結果的に血流はよくなり安定することが多いです。


◎皮膚や粘膜が乾く

閉経後に子宮は少しずつ萎縮して小さくなります。

水がぬけて乾物のように硬くなるようなイメージです。

それと同じような現象が皮膚や粘膜にもみられ、カサカサして粉をふいたり、目や鼻腔が乾いて傷つきやすくなったり。

また子宮に近い外陰部のトラブルもあります。

具体的な症状として、膣や肛門付近のヒリヒリ感や痛み(GSM)、便がスッキリ出ない、皮膚の痒み、湿疹、間質性膀胱炎など。


漢方では人参、芍薬、地黄、当帰などで皮膚や粘膜を潤すよう考えますが、炎症をともなう場合はそれを先に静めなければならないケースもあります。


◎胃腸の調子が安定しない

油物を食べると胃がもたれる、少し食べ過ぎただけで胃の調子が悪くなるなど消化力の衰えを感じることが増えます。

喉・胸・胃・腸の痞えや詰まり、ゲップや胃酸が上がるなどの逆流症状も。

さらに腸の蠕動運動が鈍くなるため、便意を感じなくなったり下痢しやすくなります。

よくある不調には、胃痛、吐き気など胃の不快感、食欲不振、胸やけ、逆流性食道炎、過敏性大腸炎、間質性大腸炎など。


漢方では、半夏、生姜、黄芩、人参、黄連、芍薬などで胃腸のはたらきを整えるよう考えます。

更に食養生もいっしょに行っていただいてます。



以上となりますが、更年期障害は体の揺らぎとも言えます。

どう揺らぐかは個人差があるので、きちんと体の状態をみていくことが大切です。

分からないことがあれば、遠慮なくお尋ねください。

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