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「夏バテ/よく使う漢方薬について」

更新日:7月28日


「猛暑の日に外出してから食欲がなくて、とにかく体がしんどいです。夏バテと思い市販の漢方薬をのんでゆっくり休んでいたのですが、効果がよく分からなくて…」40代女性のご相談です。

厳しい暑さが続くと、疲れやすく気力がないといった気の不足、食欲がなく食後眠くなる、下痢軟便などの胃腸の弱り、そして無性にノドが渇いて水分を欲する津液不足などの症状が出やすいです。このような夏バテの症状に漢方薬を使うケースは増えてきていますが、自分に何が合うかよく分からないという声が多いです。そこで今回は、夏バテ漢方の特長についてなるべく分かりやすく解説して行きたいと思います。


☆補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

胃腸の働きを高める四君子湯をベースに、下に落ちる気を上方へ促す、柴胡、升麻などから構成される。もともと胃腸が弱いというよりも夏になると食欲が落ちる、手足がだるい、体がしんどくて横になっていたい等の症状がある時に適応となる。体力のある方が激しいスポーツをして疲労困憊した時は、回復するまで服用を続けると良い。夏バテや疲労の予防として使用するよりも症状がつらい時に服用した方が効果を実感できる。


☆六君子湯(りっくんしとう)

補中益気湯と同様に四君子湯をベースに、陳皮、半夏(二陳湯)で痰をのぞく方意となる。もともと胃腸が弱く、食欲がない、食べてる最中に疲れてしまう、食後眠くなる、疲れやすい、下痢軟便になりやすい等、胃腸のトラブルが際立つものに適応。さらに吐き気、ムカムカ、ゲップなど胃気が上がりやすい時にも使用される。

胃の膨満感や腹部の張りが強い場合は、香附子、カッ香、縮砂を加えた香砂六君子湯にするとより効果的。


☆黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)

中(胃腸)の働きを建てなおす小建中湯に、汗腺の開閉を整える黄耆を加えたもの。普段から胃腸が弱いのは六君子湯と同じであるが、胃腸の不調よりも体の疲労感が強いものに使う。さらに少し動くと汗をかきやすく、夜中は寝汗をかきやすい。芍薬甘草湯を内包するため、キューと締め付けられるような腹痛を起こしやすい、足が吊りやすいことも適用の目安となる。


☆十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

上記と同じく四君子湯をベースに、血を養う四物湯と黄耆、桂皮で構成される。病後の気力体力回復に使われることが、四物湯に内包される当帰、地黄が胃腸に負担になることがあるため、胃腸の不調がある時には六君子湯などで先ず胃気を立て直すことを優先する。


☆生脈散(しょうみゃくさん)、商品名:麦味散顆粒(ばくみさんかりゅう)

人参、麦門冬、五味子の3種から成るシンプルな処方。炎天下で大汗をかいて口や咽がカラカラになって乾燥して水分をとっても渇きが癒えない、疲労感があるのが特徴。単方でも使うが、上記の方剤を飲みながら口咽の渇きが強い時に合方することもお勧めする。


☆五苓散(ごれいさん)

水の代謝を是正する茯苓、朮、沢瀉、猪苓、桂皮の5つの生薬から成る。症状として上記のような胃腸の弱りや疲労倦怠感はなく、五苓散の使用目標としては激しい口渇(水を飲んでも飲んでもまた飲みたい)、そして尿が出ない。

このような症状があって、頭痛、眩暈、浮腫みがある時にも適応する。


☆藿香正気散(かっこうしょうきさん)、商品名:勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)

カッ香、蘇葉、白芷など胃の湿邪をのぞくことを主とする処方。四君子湯をベースにするような普段からの胃腸の弱りはなく、ムカムカして気持ち悪い、体が重だるい、腹痛、下痢軟便など一時的な胃腸症状が特徴となる。湿度の高い時期や暴飲暴食後にこのような状態になりやすい。

ウイルス性胃腸炎で上記の症状があるものに適応する。


以上となりますが、分かりにくい部分もあると思いますので何かご質問があればお尋ねください。

「夏バテ/予防のためのライフスタイル」も参考に、暑い夏を元気に過ごしていきましょう!


参考コラム:「夏バテ/予防のためのライフスタイル」

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