「低気圧が近づいて空が薄暗くなってくると、何だか頭が重く、しばらくすると激しい頭痛が始まる。すぐに市販の頭痛薬を飲むと治まっていたのが、最近は治まらない。しかも飲んだ後に胃がキリキリ痛む…」30代後半、女性のご相談です。
今年は特に急激な気圧の変化が大きいためか、このような頭痛のご相談が多くあります。漢方薬に行きつくまでにみなさん色々な経験をされていますが、市販の鎮痛剤で効果がみられない、飲むと胃腸の調子が悪くなる、対処療法でなく根本的に頭痛が起こらない体にしたいなど、長年くり返している低気圧頭痛を漢方薬でどうにか楽にしたいという強い要望をもってご相談にいらしてます。
まずは低気圧頭痛を起こしやすい方の特長ですが、雨降る前の急激な気圧の変化に反応して、初めは頭が重く、次第に激しい頭痛となり、ひどい時は吐き気を伴うことも。そして雨が降ると楽になることが多いです。これは急激な気圧の低下によって、体に偏在している水が揺り動かされ上衝し、頭部へ張りだすために起こる現象と考えられます。このような病態を起こしやすい方は胃(心下)に水が溜まりやすい傾向があります。腹水音といって胃がチャポチャポしたり、尿の出が悪いまたは頻尿、普段から湿気に弱く体が重だるくなりやすいなども。
以上のことから、低気圧頭痛を改善するには胃に余分な水が溜まらないようにすることが大切です。そのために日常で意識していただきたいのは胃腸の状態を良くしておくこと、そして水分のとり方に気をつけることです。水分は口に入れた時に温かいと感じる温度で、なるべく小まめに、少しずつ。このように水分補給すると胃腸で吸収されやすくなります。
日々の養生として、ぜひお試し下さい!
参考コラム:「低気圧頭痛/よく使う漢方薬について」
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