「閉経して1年がたちますが、これから生活の中でどんなことに気をつけるといいでしょうか…」50才の方のご質問です。

この方は4年前から漢方薬を服用されてホットフラッシュと睡眠障害が落ちつき、今後の備えとしてライフスタイルを自分なりに考えていきたいとのことでした。
そこで今回は、50代またこれからそこを通過していく方々へライフスタイルの提案をさせていただきます。
50代は閉経の時期に個人差がありますが、どちらにしても今までにない心と身体の変化を感じることが多いです。
その中には日常生活に支障が出るほどの苦痛を伴うものも少なくありません。
具体的な症状としては関節の痛み、こわばり、腰痛、むくみ、冷え、のぼせ、動悸、めまい、不安感、不眠、目や口や皮膚の乾燥。
最近では陰部の乾燥、かゆみ、排尿痛、尿漏れなどGSM(閉経関連尿路性器症候群)といわれる症状もみられます。
これらは一見すると相関性がないようにみえますが、50代では「血流の滞り、水分代謝の低下、そして潤い不足」に起因してさまざまな症状が起こると考えています。
さらに胃腸のはたらきが弱まるため、食後眠くなったり、食べ過ぎると不調になる傾向があります。
以上より、生活の中で気をつけるポイントは3つ。
①日中はなるべく体を動かす
長時間のデスクワークや同じ姿勢での作業は血流が滞り筋肉が硬直してくるため、痛み、しびれ、凝りに繋がります。
同時に水分代謝も低下するので、浮腫みや冷えもでてきます。
なるべく小まめに休憩時間をとって肩や首などのストレッチをしたり、別の作業に切りかえるなど、全身を意識して動かすよう心がけて下さい。
また今まで自転車やエレベーター、エスカレーターを使っていたところを歩くようにするだけでも筋力トレーニングになります。
特別な運動よりも身近な習慣から変えてみる、その方が長続きするのではと思います。
②睡眠を大切に
一般的に年齢とともに眠りが浅く、目が覚めやすくなります。
これは年齢とともに眠るための力が弱まるためで50代から顕著になります。
この力は“陰分”といい、心身を養って潤いを与えるものでもあります。
この陰分を補うための一番の方法が夜眠ることです。
ぐっすり眠れた翌日は、肌がしっとりして心も潤っているはず。
睡眠に入るためには寝る前の準備が大切になります。
パソコンや携帯の画面から離れて、ゆったりとした音楽やアロマなどで頭の思考を解放させてからお布団に入るようにしてみて下さい。
それでも睡眠が上手くとれない時は医療機関にご相談下さい。
③飲食は過ぎず、甘いものは日中に
以前のように食べたり飲んだりすると、胃腸の不調はもちろん体調にも影響がでてきます。
特に気をつけたいのが夕食。
「ゆっくり、よく噛んで、腹7分目を心がけて。甘いデザートは朝食か昼食に!」
夕食から寝るまでの時間が短い時は、なるべく軽めの食事にして翌朝しっかり食べて下さい。
寝ている間に胃腸を休ませてあげると、睡眠の質と翌日の体調がよくなります。
50代のライフスタイルが、60代以降の心と体に現れてきます。
良いライフスタイルをつくって、健やかに素敵に年を重ねていきましょう~
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