「足がしびれる」
- kampo-kojyudo
- 6月28日
- 読了時間: 2分
更新日:7月1日
「ここ最近、足裏から脛の表面がジワジワ、ピリピリとしびれて気になる。仕事で大きなプロジェクトを任されて緊張状態が続いた後から…」40代女性のご相談です。

40~50代の働く女性は職場では仕事のリーダーや若者たちの良き相談役、そして家では家事やお子さんのフォローで日々奮闘されている方が多くいらっしゃいます。
この方もその一人で、大きなプロジェクトリーダーを任されメンバーをまとめて時間内に仕事をきちんと仕上げるため、常に緊張感を持ちながら最後までやり遂げてホッとしたところで足のしびれが出てきました。
このような過度な緊張状態(ストレス)が続き、それが一段落したところで急に不調を感じるケースはよくあります。
体は緊張すると筋肉や血管が収縮して血流が悪くなり、そのために痛みやしびれを引き起こすことも。
東洋医学では緊張によって気の流れが滞ることを肝気鬱結といい、一般的に柴胡を中心とした方剤が汎用されます。
ただし“ストレス起因だから柴胡剤”と短絡的に考えてしまうと改善は難しくなります。
柴胡加竜骨牡蛎湯、加味逍遥散、抑肝散加陳皮半夏などの柴胡剤を順番に飲んみても効果を実感できなかったという方は柴胡剤の適応ではなかったと思われます。
柴胡剤の適応は、胸から脇腹にかけて張り、痛み、圧迫感、違和感、またはカゼ症状など発熱や炎症をくり返す傾向がありますので目安にしてみて下さい。
また緊張により血流が滞るために起こる気滞瘀血や瘀血ととらえると、逍遥散や桂枝茯苓丸を使うことが多いですが、生理の状態、下腹部の圧痛、唇の色など瘀血の確認が必要となります。
また瘀血があったとしても、それがしびれの病因なのかは漢方薬の反応をみながら判断していきます。
上記の方は足のしびれの他、夜になると足がほてり、声枯れ、皮膚の乾燥があったため、体を潤す力が弱まり血流が乱れてしびれにつながったと考えて、芍薬、地黄、黄柏を含む方剤を調合しました。
反応をみながら薬を調整し、1か月後あたりから足の火照りが治まり、その後しびれの強さと頻度が減り、9か月経った現在は予防のため量を減らして服用されています。
一つの症状の背後には、さまざまな要因と思われるものがあります。
それをきちんと見極めることができれば、足のしびれは漢方薬で改善していくはずです☆彡
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