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「自分に合う漢方薬に出会うためには…」

kampo-kojyudo

更新日:3 日前

「10年前から坐骨神経痛のため3種類の漢方薬を飲んできて、改善もなければ悪化もしていない。その先生には気虚、腎虚と言われたのですが…」50代女性のご相談です。


中医学で方剤を決める時には“弁証論治”といって、病が今どういう状態なのかを見立てる(気虚、瘀血、肝脾不和、腎虚など)、それに対応する方剤を選定するという方法が一般的で方証相対といいます。このような方法は中医学に限らず、経方、古方、後世方に重きをおく先生方も殆ど同じだと思います。“気虚”や“腎虚”とは気血水、五臓六腑といった概念の中での病証です。


“気虚”とは一般的に気が衰えた状態で疲労倦怠感を主とします。頭痛、食欲不振、下痢などの症状が疲れると著しく悪化するのが特徴です。気虚を補うとされる方剤は、人参や黄耆を含む補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯などがありますが、これらを飲むと本当に元気になるのかと聞かれると、私見では難しいケースが多いと答えざるを得ません。それは補気薬とされている人参、黄耆には、ある特徴がある時にのみ効果を発揮するからです。

人参は口の乾き、みぞおちや胃の痞えがある時、黄耆は動くとすぐに汗をかいて寝汗もかきやすい時など発汗異常がみられる時に使うと効果的です。ただし、人参や黄耆の単味(一味)を使うのではなく、いかに体の病態に合う方剤に組み込んでいくかがポイントになります。


“腎虚”の腎とは、ホルモンや生殖器泌尿器などのはたらきを維持する臓とされています。加齢にともない腎気が衰えると考えるため、40代の不妊、高齢者の排尿異常に腎虚を補う六味地黄丸、八味地黄丸はマストと考えていらっしゃる先生は多いです。一方で腎の存在、そして腎虚という病態そのものを非現実的で神秘的な概念だという見方もあり、賛否両論あります。


どんな分野でもそうですが漢方の考え方にも色々あり、正解は一つではありません。

大切なのは、どんな方法でも漢方薬で改善へ導いていけるかどうかだと思います。


信頼できる先生とともに、ぜひ自分に合う漢方薬を探してみて下さい~☆彡


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