「漢方薬を経方理論で考える~その利点について」
- kampo-kojyudo
- 4月25日
- 読了時間: 3分
更新日:5月6日
「中医学とか日本漢方とかありますが、どんな漢方なのですか…」時々あるご質問です。

聞かれるたびに「中医学でもこれまでの日本漢方でもなく“経方理論”という新たな考えを基にしたものです」と答えてますが、「経方理論って何だろう、、」と思われる方が殆どではないでしょうか。
いつもそのような空気感をうっすら感じつつも、詳しく説明することなく今に至っています。
そこで今回は経方理論とはどういうものなのか、なぜ良いのかの利点についてお話ししたいと思います。
本屋さんにある一般的な漢方特集の雑誌や本は、中医学を基に解説されているものが多くみられます。
その理由として中医学は、気血水や五臓六腑などの用語からその現象をイメージしやすく、理論として説明しやすいためです。
「疲れやすくエネルギー不足は気虚、浮腫みや尿が出にくいのは水毒、生理痛があって舌が暗紫色なのは瘀血」というように、公式のごとく明解で分かりやすいのが中医学の特徴。
そのため漢方に興味がある、もっと勉強したい人は中医学の入門書から入るケースが多いようです。
中医学のほかに日本で漢方と呼ばれるものには、中国から伝わって日本独自に発展した日本漢方(和漢薬)や地域で古くから使われる民間薬、民間茶などがあります。
たとえば奈良吉野の胃腸薬で有名な陀羅尼助丸、長野県木曽地域の百草丸などの地域に伝わる民間薬、またセンブリやドクダミは胃腸の働を整える健康茶として愛用されている方もいます。
現代では生薬の入ったものを広く一般的に漢方といいますが、これからの話は病院や漢方薬局で体に合わせた漢方薬を処方または調合する際に、どのような考え(漢方理論)を基にしているのかということです。
その軸となる漢方理論がないと、たまたま良くなることはあっても効果きちんと発揮させたり、病態の変化に合わせていくことは難しいと思われます。
前置きが長くなりましたが、香寿堂ではご相談の中で主訴となる症状、そして素体の傾向(体質)をなるべく詳しく伺いながら漢方薬を調合してお渡しています。
何がどう変わっていくか、変化の様子をみながら薬を合わせていくのです。
この一連の流れの中で、より鮮明に病態を把握するために“経方理論”という考えを柱としています。
経方理論とは師匠である戸田一成先生が考案、確立されたもので「戸田流経方理論」といいます。
経方というのは漢方の聖典である傷寒論・金匱要略のことですが、この中に挙げられる方剤のみを使用するという古方原理主義でなく、傷寒論・金匱要略の理解を深めていく中で、いかに今の時代の不調に応用してきちんと効果を発揮できるか…そこを追究したものといえます。
また経方理論の特徴として、病態を鮮明に捉えるため使用する生薬がシンプルでミニマル。
そのため「漢方薬が美味しい」と驚かれるほど飲みやすく、胃腸の弱い方でも安心して服用できます。
たとえば更年期障害でホットフラッシュなど複数の症状がある場合、それを肝鬱化火そして腎虚ととらえて、2種以上の合方や動物生薬などを一緒に使うことがあるようです。そうすると漢方薬の味が複雑になって飲みにくく、胃腸の負担になったり、さらに効果が曖昧になる傾向があります。
このような説明では十分ではないかもしれませんが、今回一番にお伝えしたいことは、経方理論を使うことで、今後の新な疾患や不調にも対応して、効果を最大限に発揮できる、ということです。




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