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「漢方薬の得手不得手」

最終更新: 8月17日

「この一年で血圧が高くなってきて健診のたびに内科受診をすすめられ、そこでこれ以上高くなるようなら降圧剤を飲まないとね、と。なるべく薬は飲みたくないので何かいい漢方薬はないですか?」駆け込んでいらした方は50代男性。

話を詳しく伺ってみると、血圧は120‐140/80‐95㎜Hg。特に冬に高くなりやすい傾向がありますが、その他に体調で気になるところはないとのこと。一通り体の状態を確認したものの、過剰な緊張、興奮、そして正気の虚損、陰陽のアンバランスなどの異常はみられない。さて、どうしたものか…

高血圧で汎用されている漢方薬は色々ありますが、これらを使っても恐らく血圧は変わらないな、と感じました。

結局この方には事情を説明して、今回は漢方薬をお渡しできません、すみません、、と伝えてお引き取りいただきました。

漢方の不得手とするところは、このように自覚症状がない疾患なのです。例えば、血圧、コレステロール、尿酸値などが高い、肝機能や腎機能が弱っているなど検査をして分かった数値のコントロールは漢方薬では難しい。なぜなら漢方薬は自覚症状→体の中の病態を推測→処方という流で取捨選択できるものだから。自覚症状なくして高血圧だから○○湯、腎機が弱いから○○湯という訳にはいきません。例えそれでお出ししても数値が下がる可能性は低いと思います。人は一人ひとり体の構造、生活、環境などが違うため、体の個性と症状を考慮して処方を導きだすことが必要だからです。

つぎに漢方薬の得手ですが、それは今までのお話とは相反する、自覚症状のある疾患です。たとえば主訴が片頭痛、急激な低気圧がきた時や生理前に頭が重く痛みが激しい、浮腫みやすい、普段から胃弱、少食、下痢しやすい。このような病態は、胃弱で消化吸収が十分できずに痰飲、湿などが不要な水として胃に偏在しているためで、それが何らかのきっかけで上衝したり、皮下や腸に溢れたりすることで病症として現れます。このような場合は、胃腸の働きを高め、溜まった水の偏在を是正し、上衝を治めることが先決。というように症状と体の体質が分かると、病態を可視化してイメージしやすくなるのです。

大まかではありますが、以上のように漢方薬の得手不得手を捉えていただければと思います。

いつの時代にも、万能薬はありません。

漢方薬を日々の生活の中で、上手に活用くださいませ~

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