「仕事が忙しいためか年齢のせいか、疲れが抜けなくてつらい。朝起きてもボーとしてたり、昼食後はウトウトして全く仕事に集中できない。漢方の自己診断チャートでは気虚となったのですが…」40代女性のご相談です。

疲れやすい、疲れが抜けない、元気がでない、動きたくない、話すのも億劫、集中力がない、ボーっとするなど言語表現としてはいろいろありますが、一般的に気力が低下した状態を気虚としています。
20代から30、40、50代…と年齢が上がるにつれて疲れやすくなりますが、だからと言って中高年以上の方が補中益気湯、六君子湯、十全大補湯、人参養栄湯などの補気剤を飲めば元気になるのかといえば、そんな事はありません。
何も変わらないか、当帰や地黄を含むものであれば胃腸に負担を感じることもあるでしょう。
年齢を重ねれば疲れやすくなるのは当然で、それは漢方薬でどうにかなるものではないのです。
みなさんにお勧めしたいのは、疲れやすいなと感じたら、まずは普段の生活を見直してみるということ。
江戸後期の漢方家である吉益東洞は“精気を養うは穀肉果菜を以てす”といいます。
生命力、気力や活力を養うのは、特別な薬ではなく日々の食事にあると。
若い方もそうですが、80才以上で元気に過ごしていらっしゃる方は食べています。
暑くても寒くても、自分の適量を毎日食べられるということがどんなに大切なことか…ご高齢の方から教わることが多々あります。
また食とともに大切なのが、睡眠です。
この2つが過不足なくとれていれば、年齢相応ではありますが気力は保てるはずです。
もし食べられない、眠れないというのであれば、そこを改善する方法(必要であれば漢方薬)を考えることが先決だと思います。
上記のご相談の方ですが、疲れやすさの他に食事量の減少、体が冷えやすい、寝つきが悪いというのがあったため、胃腸の働をよくして血流を促す漢方薬と、温かい朝食をとるようにしてもらったところ、体がポカポカして眠りやすくなり、その後少しずつ疲れにくくなりました。
気を補う方法にはいろいろあります。
基本はライフスタイルの見直し、それでも変わらなければ漢方薬を検討してみて下さい~
参考コラム:「自分に合う漢方薬に出会うためには…」
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