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「更年期の関節痛」

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「ホットフラッシュが落ちついた頃、急に関節の痛みがでてきた。階段の上り下り、長時間の歩行、立ち上がる時に膝が痛くなり、同じ姿勢でじっとしていると手指の関節が固まり曲げると痛い…」55才女性のご相談です。



このような関節痛は、50才前後の閉経期から急に起きてくる傾向があります。痛みは手指や膝が主で、他に腰から下の下半身や全身の関節がうずくように痛むケースも。曲げたり負荷をかけると痛みが強くなり、じっとしていると痛みはないのですが、その時間が長いと次に動かした時により強く痛みを感じるようです。適度に動かした方がいいのは分かっているけれど、動かすと痛い…なかなか難しい状態です。


このような更年期の関節痛の病態は、筋肉の固着、血流の滞り、水分の代謝異常の3つの要因が関与していると考えています。


女性の体は閉経期から急激に筋肉量が減り、さらに弾力や張り、潤いなど筋肉の質も低下するため、体をスムーズに動かしにくくなります。さらに長時間同じ姿勢でじっとしていると筋肉が硬化して固まるため、次に動かした時に違和感や痛みにつながります。朝起きた時に動かしにくい、動かすと痛みが強く感じるのは、筋肉が固着するためと思われます。


またエストロゲン分泌の低下により血流が滞りやすく、高血圧、高脂血症になりやすいといわれてますが、実際の症状としても痛みのほか、肩こり、冷えのぼせ(上半身のぼせて下半身冷える)、シミやクマが増えて顔がくすむ、イボやホクロが増える、唇が暗紫色、舌下静脈の怒張(舌裏の静脈が浮きでる)、下肢の細絡(毛細血管が浮きでる)等がみられます。


さらに口からとった水分が体に必要なところに必要な分だけ吸収され、不要なものは尿として排泄される、という水分代謝がうまくできない状態がみられます。例えば胃や腸に限局して水が溜まると、食欲の低下や下痢軟便という症状として現れたり、頻尿など尿の回数と量の異常、むくみ、めまい、動悸、倦怠感なども水の偏在によるものと考えられます。さらに水の滞るところは冷えを呼ぶため、お腹やお尻が部分的に冷たいという方もいらっしゃいます。


更年期の関節痛はこれらのうちの1つが原因というより、3つが潜在的に関与しているために起きていると考えています。


上記の相談の女性は、主に血流と水分の代謝をうながす漢方薬で痛みがだいぶ楽になり、以前は歩いてると痛くて足が前に出ない状態から少しずつ長く歩けるようになました。


更年期以降は、いかに筋量と筋力を維持し高めていけるかが勝負どころだと思います💪


そのためには、まず痛みを和らげることです!




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