「急に顔がカーっと熱くなったかと思うと、グワっと汗が噴き出す。抜くってもぬぐっても出てくる汗。特に満員電車や会議中にホットフラッシュが起こると、一人で汗をかいているので周りの視線が気になる…そう思うと余計に汗が止まらない」
これは更年期世代(45~55才)の方によくある症状です。
では、なぜホットフラッシュは起こるのでしょうか?
ホットフラッシュは更年期に起こる様々な不定愁訴の一つで、閉経へ向かいエストロゲンが急激に減少し、それに伴う自律神経の乱れが原因とされています。
東洋医学的には、閉経前後の血流量(血)の減少、そして疏泄失調(気血がスムーズに巡らない)により起こる現象と考えられます。
すなわち、月に1回、子宮へ送られていた血が減少してくると同時に、血を巡らせる働きが弱まるため、PMS(月経前症候群)のような不定愁訴が続いたり、月経周期が乱れたり、心身共に不安定な状態になります。ホットフラッシュは、このような減少傾向にある血が熱を帯び、暴走し、制御できず、一気に上昇するために起こると考えられます。血に熱を帯びた状態は血熱といい、経血量が多くなったり(月経過多)、止まらなくなったり(崩漏)、急にのぼせたり(逆上)等の症状を引きを起こします。
では、どんな方がホットフラッシュになりやすいのでしょう?
それは元々、体に熱を持ちやすい暑がりタイプ、
さらに緊張や不安感を感じやすい方です。
暑がりの方は、体の熱産生がよく活動的ですが、熱を呼び込みやすく血熱になりやすい体質です。
そして、血熱の勢いが増すと、熱は一気に上へ上昇し、ホットフラッシュとなります。この状態に、更に緊張や不安が加わると、血管が収縮し血流が悪くなるため、火照りやのぼせが治まりにくくなると考えられます。
この場合、漢方薬では加味逍遙散、桂枝茯苓丸、桃核承気湯などが一般的に使われすが、実際にはこれだけでは治まらないホットフラッシュが多々あります。
また、更年期を過ぎた50代後半になってもホットフラッシュが続いたり、何らかの複合的な要因で急にホットフラッシュが始まったりと様々なケースがみられます。
それだけ、個人差が大きいといえます。
その個人差と発症~今日の変化の流れをみて、漢方薬を調整していきます。
ホットフラッシュでお困りの方は、是非ご相談にいらしてくださいね。
Comments