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「夏バテ/予防のためのライフスタイル」
更新日:2022年7月24日
「暑くなると食欲が落ちて、とにかく体が怠いです。日中は家でゴロゴロしていることが多く、夕方に少し食欲がでるので麺類やアイスクリームなど冷たくてのど越しのいいものを食べます。毎年夏バテするので、今年はどうにかしたいのですが…」

夏は毎年やってきて、毎年同じ不調をくり返す方が多くいらっしゃいます。このような夏バテ体質の方々に、日常の生活で気をつけて頂きたいこと3つをご紹介します。
①胃腸を労わる
なるべく1日3回、腹8分目の食事をとるようにして下さい。食欲がないからと1日1食にすると、1回の食事量がふえて胃腸に過度な負担がかかってきます。また空腹時間が長くなると栄養不足になり活動力、集中力が落ちます。胃腸はなるべく定期的に、無理なく動かしてあげることが大切です。それは飲みものも同じ。冷たい物を一気に大量に飲むと、胃腸で水を吸収できずに胃がチャポチャポしたり便が緩く下痢しやすくなります。水分はなるべく常温のものを一口ずつゆっくり飲んで下さい。漢方の考え方として、胃腸は体の中心(中焦といいます)。そこが整うことで、お腹に力が入り体全体がしっかりしてきます。
②睡眠と運動
暑さのため汗をかくことが多くなりますが、汗は体の水分とともに気(元気)を消耗し、疲れを感じやすくなります。失われた水や気を補うには水分摂取や休養も必要ですが、一番は睡眠です。個人差はありますが1日5~8時間は睡眠時間を確保することと共に、早め(0時まで)には布団に入るようにしてみて下さい。夏は日の出が早く日の入りが遅い、ということは日中(陽)の時間が長くて夜(陰)が短い。この陰の時間帯に充実した睡眠がとれると、体は滋養され疲れが癒えてきます。ですので、夏はサマータイムとして、いつもより早く布団に入るよう心がけてみて下さい。
また日中は暑いため、クーラーの中で過ごす時間が長くなりますが、早朝や夕方など涼しい時間に外に出てウオーキング、ストレッチなどをして血流を良くしておくこともお勧めです。
③温かいお茶、香味野菜、大根おろし
胃腸は食べ物、飲み物、そしてその温度に影響を受けます。暑くなると体を冷やしたいため、かき氷、アイス、ジュース等が欲しくなりますが、冷たい物を飲食すると胃腸が冷えて働きが悪くなるため、食欲不振や下痢軟便の症状が出やすくなります。特にもともと胃腸の弱い方は覿面です。なるべく常温以上のものを意識して、それでもかき氷を食べる時があるならば必ず温かいお茶を飲みながら召し上がるようにしてみて下さい。
また冷たい麺類、お豆腐、お刺身には、ミョウガ、ネギ、大葉、生姜などの薬味をたっぷり添えて下さい。香味野菜は胃腸の湿をさばいて働きを良くしてくれます。またお肉、お魚を食べる時には大根おろしを添えると胃もたれしにくくなります。
以上のことを参考に、ご自身のライフスタイルに取り入れられそうなことから始めてみて下さい。
ポイントは胃腸を労わること、そして睡眠です。
これらを意識して、暑い夏を少しでも快適に過ごせますように~☆彡
参考コラム:「夏バテ/よく使う漢方薬について」