「朝目が覚めるとムカムカして気持ち悪く、胃が重い。他にシクシク痛んだり、食欲がなかったりと朝から胃の調子が悪いと一日のテンションが下がる…」50代女性のご相談です。
最近このような胃の不調を訴える方が多くいらしてます。夏バテで胃が疲れてると思われがちですが、胃の疲れ(胃虚)の場合は朝に限らず昼夜も胃の不調があり、疲れると症状が著しく悪化するというのが胃虚の特徴です。このような時はぜひ、四君子湯、六君子湯、香砂六君子湯などを服用されてみて下さい。
この方のように「夏の朝、胃がムカムカして重い、食欲がない」時は、湿気(湿邪)が胃に影響していることが考えられます。ここでの湿邪とは高温多湿という日本特有の夏の気候による外湿と、水分を多く含むものを飲食したために生じる内湿の両方になります。胃は本来、乾燥を好む臓器で、湿気を嫌います。そのため、外湿の強い環境で内湿が増えると、胃の中の水蒸気が飽和状態になるため、胃がチャポチャポしたり胃の働きが弱くなったりします。
また朝に症状がでやすいのは何故でしょうか?それは夕食に味の濃い物や油物を食べすぎたり、寝るまでに冷たい飲み物や果物を食べ過ぎたりすると夜に消化吸収しきれず、朝に胃の不調として現れてきます。
そのため予防としては、夕食と寝るまでの飲食に気をつけること。なるべく胃の負担にならないよう、夕食は寝る2~3時間前には終える。夕食後に冷たい飲み物や果物はとり過ぎない。もし夕食から寝るまでの時間が短い時は、なるべく薄味で消化のいいものを腹7分目くらいに。冷たいものを食べる時は温かいお茶と一緒に。口にするものは冷えすぎ、とり過ぎに注意。
これらを意識してしていただけると、大きく胃を崩さずに済むと思います。
胃は食べ物を受け入れる大切な器です。
労わり励ましながら、厳しい夏を乗りきりましょうね!
参考コラム:「夏バテ/予防のためのライフスタイル」
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