「急性胃腸炎の後から毎日発作が起こるようになった。突然息が苦しくなり、ソワソワ、ドキドキ、眩暈がして、このまま倒れてしまうのではと不安でたまらない…」40代女性のご相談です。
この方は2年前にもパニック障害を経験されていて、その時は心療内科の処方薬でよくなりました。今回は薬を服用しても毎日発作が起こる、食欲がないとのことで他の方法を探したところ、漢方に行きつき相談にみえました。初診の印象は、食欲不振で以前より食べられないというものの体格はしっかりしている。この方は、元来胃腸が虚弱で食べられないタイプではなく、急性胃腸炎の名残りのためだと思いました。
パニック障害については、もともと不安を感じやすい方が少し前にあった環境の変化を受け入れられず、喪失感や不安感に拍車がかかり発作が起こるようになったと思われます。漢方医学では不安や不眠を心の陰不足、そして動悸や息切れ、めまい、ムカムカなど下から上に突き上げてくるような症状を上衝といい、陽気の不足ととらえます。
そしてこれらを考慮した漢方薬を一週間服用されて、発作は落ちつき、ぐっすり眠れるようになったと喜んでいました。
そのまま継続して2週間後、今度は頭が興奮して眠れない、火照りを感じる…と苛立ちを隠せない様子。そこで今までの処方にある生薬1味を少量加えてもらったところ、頭の興奮が落ち着いて眠れるように。声や表情も穏やかになり、前回とは別人のようでした。
生薬一味の効果はすばらしい!
適切な状態に使えば、きちんと効果に現れる。
より深く、より追究していきたいと新たに自分の思いを強く感じられた瞬間でした。
患者さまに、感謝してます_(._.)_♡_
関連コラム:「パニック障害」
Comments