「急にドキドキして息苦しくなり、このまま倒れてしまうのではと思うようなパニック発作をくり返している。それと同じころから、生理が2、3か月に1回と遅れがちに…」40代女性のご質問です。
パニック障害はある日突然、不安や焦燥感にかられて居ても立っても居られない状態になります。それと同時に動悸、息苦しさ、めまい、耳のつまり、吐き気などが発作的に激しく起こるのが特徴です。発作が誘発されるきっかけは様々ですが、満員電車、地下街、会議室、検査室など閉鎖空間に近い環境に入ると起こりやい、またはある日昼食後に吐いてしまったら昼食を食べるとパニック発作が出てくるという方がいらっしゃいました。症状は同じようでも、発症するきっかけ、突出する症状、体の特長は一人ひとり違います。
さらに女性の場合、パニック障害とともに生理不順がみられるケースがあります。これは自律神経の失調が内分泌(ホルモン)へ影響しているためで、長いと1年以上生理がないことも。
このようなパニック障害と生理不順がある場合、中医学では心血不足、心脾両虚、心腎不交と考え帰脾湯、加味帰脾湯あるいは天王補心丹などが一般的によく使われます。
これらの処方で改善されればいいのですが、難しいケースも実際にはあります。生理不順を血虚と捉えて当帰、地黄などの入った四物湯を合方すればいいかというと、そう単純にはいきません。
上記の方は、パニック障害の漢方薬をつづけていたら発作が起こらなくなり、暫くして生理も毎月来るよう整ってきました。体は一つの集合体で、いろんな場所でいろんな事が起きています。同じ方法で上手くいかない時は、生理不順やパニック障害の背景に何があるのかを今一度考えてみることが大切なのでは思っています。
参考コラム:「パニック障害」、「パニック障害/よく使う漢方薬について」
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